舞台に夢中!

もう、かれこれ20年ほど、観劇を趣味にしています。当時まだ、ステージ・映画・アート関係の情報誌を売っていたので、それを毎号買い、演劇欄を夢中になって読んでいました。そうして、慣れない遠くの土地でも芝居を観に行くようになり、すっかりハマってしまいました。私自身も演劇の経験があるので、勉強のつもりで色々興味の枝葉を広げて観ていたのです。舞台というのは本当に不思議なものです。舞台そのものの空間って、ほんとうに限られていて、狭くて、時に閉鎖的ですらあります。なのに、そこで繰り広げられる物語世界は、私の心の中でとてつもない広がりを遂げるんですね。1つ芝居を見ると、その分心の中に宇宙ができます。また次の機会にもう1つ見ると、その芝居の世界の宇宙がくっついて、心の宇宙の面積が増えた感じになる。もうずっと、今日までこの繰り返しです。20年分の宇宙です。もうすでに、無限に近いものが心にある気がしてきています。私が好きな芝居の分野は、これまた無節操という言葉が似合うほど広いです。新劇、商業演劇、小劇場演劇、アングラ、歌舞伎…キリがない状態を楽しんできました。当時自分がやっていた芝居と同じようなジャンルのものをよその劇団がやっている時と、それとは真逆の作風や形態でやっている劇団の公演、どちらも気になりました。だから、とにかく気になる公演は、時間とお金が許す限り観ようとしていたんですね。あと、歌舞伎が好きになったきっかけが、表現の引き出しがものすごく豊かな先輩の影響だったりします。相手は大先輩なのに、生意気にも、その引き出しの多さや古典の知識もひょいっと出してその場で生かす姿に、尊敬半分悔しさ半分だったんです。時代物の素養や知識も、これからの為に必要な気がして、少しずつテレビや劇場で観てきました。…歌舞伎のチケットは高い場合が多かったですからね。今は何を観ようかと迷いながら、予定を考える自分がいますが、それができるのも、過去の経験があったればこそ。その今までに感謝して、これからも楽しんでいきたいと思っています。